皆さんは「どうしたら結婚が上手く行くのか?」あるいは「どうして幸せに結婚したと思ったのに失敗に終わってしまうのか?」…悩んだことはありませんか。結婚は人生における一大イベントであり、その成否は人生を左右しますから、色々思案するのは当然です。まあ私は失敗しかしていませんが(泣)
検索すれば様々な情報が出てきます。「幸せな結婚をするためにはこうした方が良い」「相手のここをチェックするのがいい」。逆に「相手がこうだったから結局失敗した」「こういう兆候があると失敗しやすい」等々。
もちろんどれも明確に否定する気はありません。しかし、私は二回離婚して思いますが、結局は「運」のような気がしています。「運次第だなんてふざけるな!」と思いっきり突っ込まれそうですが、ちゃんと理由があります。
結婚の成否
皆さんも結婚を意識すれば、周囲の方の話を聞いたことがあるでしょう。もちろんこれから結婚するにあたり、結婚している諸先輩方の話を聞いてみるのは良いことです。
しかし、思いませんか?
「人によって言うことが違う」と。
ある人は結婚を良いものだと言い、ある人は結婚なんて最悪だと言う。これ結局、その人が結婚して幸せになっていれば「結婚は良い」と言いますし、結婚して不幸になれば「結婚なんてロクなもんじゃない」と言うんです。
しかも人の価値観は千差万別。あなたから見て「それって幸せなの?」と思う状況でも、当人たちが幸せと感じていれば、その夫婦は幸せなんですよね。逆もしかりです。
例えば、経済的に全然恵まれていなくても、相手を愛しているから幸せという人もいれば、愛情があっても経済的に大変で、やがて破綻してしまう夫婦もいます。はたまたお金は有り余るほど持っていても、幸せを実感しない夫婦もいます。
ラブラブな関係でい続けたいと願う人たちもいれば、そんなことを続けていたら疲れるとドライに考える人たちもいます。お互い仕事第一でスキルやキャリアアップを大切にしたいと望むパワーカップルもいれば、収入はそこそこで良いから家庭第一が良いと思う夫婦もいるでしょう。ラブラブ派とドライ派は水と油でしょうし、仕事第一派と家庭第一派も馴染めません。
私も結婚というものについて、あれこれ思案する時期が当然ありました。色んな夫婦の話も聞いてみました。しかし、「これさえあればどんな夫婦でも幸せ!」という共通原理みたいなものはなかったんですね。
つまり、結局はあなたの価値観と相手の価値観の「マッチングの妙」。これといった絶対法則のようなものは、実は存在しないのではないかと思うようになりました。
同棲は結婚の予行演習になるか?
とはいえ、この「マッチングの妙」というのを見極めるのは大変です。前述の例はいわば人の価値観の一部分でしかありません。もっと細かな部分にも人それぞれ差異はあります。生活習慣や、何を求め何は嫌なのか、性格や育った環境にもよりますし、相手のことを相当よく知らなければ、見えてこない部分が多々あるのが人間というものです。
そこで出てくるのが、「同棲してみるのが良い」という意見です。私も個人的には、しないよりもしてみた方が良いと思います。素の相手のことを知るには、やはり生活を共にするしかありません。そのうえで、自分と相手が合うのか、合わないのか見極めてみるのは大切でしょう。
結婚と同棲は違う
ただ、2回も離婚した私が一つ言えるのは、「同棲も結婚の完璧な予行演習にはならない」ということです。私も結婚の前に相手と同棲していた時期がありました。
でも結局、同棲と結婚とは違うという結論に達しました。
・・・一体何が違うのか?
詰まるところ、同棲は本人たちの意思次第でどうにでもなるもの、結婚はそうはいかないものというのが大きいと思います。
同棲であれば、転居の手続きは必要ですが、特に親族などに報告する義務はありません。たしかに住所などは親に知らせるかもしれませんが、それ以上は本人たち次第。しかし結婚はそうは行きません。結婚をするならば親戚にも紹介しますし、そこから親族との付き合い、入籍や結婚に伴う様々な公的手続きも待っています。
そして不幸にして上手く行かなかった場合も、同棲は解消しやすいが、結婚は解消しにくいのです。たしかに同棲も解消は大変かもしれません。いざ上手く行かなくなれば、別の住居を手配することになるでしょうし、お互いの家財道具だって再度分けて、引っ越しというステップが待っています。
しかし、結婚の解消はそれ以上に大変です。親族への体裁、説明もありますし、慰謝料や養育費、社会保険の手続き等々、同棲とは比較にならないほど解消のステップがあり、確実に疲弊します。
つまり、上手く行くにせよ、失敗してしまうにせよ、やはり同棲と結婚では、結婚の方が何かとクリアするステップが多く、かなりの覚悟が必要なのです。こればかりは同棲では疑似体験できず、いざ結婚してみて初めてわかることと言えるでしょう。
結局、結婚は運次第
つまり同棲というシミュレーションを経ても、確実に上手くいくとは限らないのが結婚の難しさなのです。私も2度トライしましたが、それでも失敗しました(泣)。
昔、「なぜ結婚で失敗するのか?それは人に結婚の経験がないからだ」という言葉を聞いたことがあります。禅問答のようですが、よく考えれば一理あります。ビジネスであれプライベートであれ、人は多くの失敗をし、そこから学び、熟達していきます。
しかし結婚については、「経験のために1度試しに結婚してみよう。失敗したらもう1回やってみよう」というのは無謀というもの。失敗したら人生において結構なダメージを食らうのは明らかです。慰謝料や養育費しかり、お子さんがいれば片親になってしまいます。何度も試して学ぶのは不可能です。
そうならないように、相手をしっかり見極めるのが大切ですが、前述のとおり、価値観から生活習慣まで、ずっと生活を共にしないと見えないことがたくさんあります。また良きにつけ悪しきにつけ、同棲時代には見えなかった相手の特質も、結婚した後に判ることは多々あるんですね。
結局これではやはり「マッチングの妙」、つまり運次第になってしまうのではないかと思うのです。
ならば良い結婚のために良い運を作ろう
しかし、とはいえ「運次第なら、もうあとは偶然任せ…」と考えるのもどうかと思いますよね?それでは投げやりすぎます。
私が思うのは、良い相手に巡り合うのが運であるならば、良い運を作るよう頑張るのが得策ということです。いや、決して占いに走ったりしないでください(笑)
私は経営者なので特に思いますが、運は自分で作るものです。
他力本願ではいけません。
運という言い方が馴染めなければ、自分の状態の良し悪しと言えば良いでしょうか。そして、自分が良い状態の時に出会う人は良い人、悪い状態の時に出会う人は良くない人と考えてみてはいかがでしょう。
皆さんも経験がありませんか?ひどい失恋の後に、ロクでもない人にさらに騙される。逆に仕事や勉強など、一生懸命何かに打ち込んで頑張っていたら、素敵な人に出会えた。こういうことは多々あります。
人は何かに打ちひしがれてしまうと、ダメージを負っているので、どうしても心は弱くなり、誰かに頼りたくなるものです。これはいわばガードが下がってしまっている状態。皮肉なもので、そんな時ほど良からぬ輩にも目を付けられやすく、さらに人を見極める力も落ちているので、下手をすれば悪い人を良い人だと勘違いしてしまう。こうやって騙されてしまい、余計にダメージを負ってしまうのです。
自分が充実していれば、そういったことはなくなります。何かに熱心に取り組んでいれば、頭もシャープですし、人を見極める目もクリアになります。そんな時ほど優れた人に出会えるのではないでしょうか。
結婚には、こうすれば必ず良い結婚になるという万能の絶対法則はありません。ベストな人とのマッチングには、運や偶然の要素があまりに多く、容易にコントロールできるものでもありません。しかし、だからこそ、まずは自分の状態を良くしておき、素敵な相手との出会いを引き寄せるよう、頑張ってみてはいかがでしょうか。それが一番結婚の成功につながる秘訣になると思います。