コロナウイルスは、日本人の経済にも生活にも甚大なダメージを与え、国民の日常は様変わりしてしまいました。緊急事態宣言が発令され、婚活しようにも外出も自粛要請。メディアや結婚相談所にとっては死活問題なので、「結婚や入会の相談は増えている」「オンライン婚活で頑張ろう!」などと言いますが、あまりに無理があります。社会がこの状態ですから、婚活もままならず、それは相談は増えるでしょう。しかし、実は皆さんも気付いていらっしゃるのではないでしょうか。 先に結論を言ってしまいますが、もう婚活は潔く当分諦めましょう。
そもそも人に会ってはいけない
新型コロナウイルスの一番厄介な特性は、無症状の人もいるため、誰が感染者かわからず、どこでうつされるがわからないので、政府が提唱するように「人に会わない」という手段でしか防衛できないことです。
少々辛い風邪レベルならばまだしも、コロナの場合は重症化すれば地獄…。最悪死に至ります。これではさすがに「意を決して誰かに会おう」という気にはならないでしょう。それは勇気ではなく無謀です。
結婚を3回もした愚かな私からすれば、この状況では絶対に結婚の話は進みません。
まず、言うまでもないですが、そもそも結婚したいと思う誰かと出会う機会が激減します。不特定多数の男女が集う婚活パーティーや街コンなんて、確実なクラスター予備軍です。二人っきりで会うにせよ、相手が感染しているかもしれませんし、デートしようにもお店も開いていません。
仮にもしそれらのハードルを乗り越えて、結婚の話が出たとしても、両親や親戚にどうやって紹介するのでしょう。さすがに年配の方にオンラインだけで話をし、結婚の快諾をもらうのは無理があります。さらに、参列者を招待する結婚式もクラスターになるかもしれず、新婚旅行にも行けません。
単なる交際でも大変なこの時期、結婚に至るにはそのプロセスがあまりに多く、そしてコロナ禍とは恐ろしく相性が悪いのが婚活なのです。
社会が不安定だから誰かと一緒にいたい?
ネットでは、主に女性を中心に「社会が不安定だからこそ誰かといたくなるのでは」という意見を目にします。東日本大震災や、阪神淡路大震災時をイメージしているのでしょう。しかし、これはコロナとはあまりに違う災害です。残念ながら当てはまりません。
これらの震災は、影響を受けた地域が限られており、その他の地域はダメージを受けておらず、経済活動はできました。そして何より、「人と会ってはいけない」などということはなかったのです。
コロナはそうはいきません。経済活動はストップし、人に会うことも制限されるという異例の状況です。不安な気持ちが高まるのは痛いほど理解できますが、人に会うのは感染リスクと隣り合わせで、自粛の名の下に、極力誰とも会わないのが正解となります。
特に派遣社員やサービス業などは、女性が従事する比率が高いため、コロナ禍では賃金カットや最悪解雇など、収入面でも厳しくなりやすく、この記事にもあるように、結婚して経済的な安定を確保したいという気持ちも出てくるでしょう。さらに、子供が欲しいと願う女性ならば、妊活のタイムリミットも気になるはずです。
しかし男性もまた、仕事や収入面には影響が出ています。よほどリッチな男性ならいざ知らず、結婚とその後の生活には多くの費用がかかるため、コロナの影響で自分一人の生活でも手一杯なのに、他の誰かの心配までできないと思う人も多いのです。こうなると、男性としては「今は結婚どころではない」と考えやすくなってしまいます。
結局、オンライン婚活しかない?
じゃあ結局、やれることはオンライン婚活か…となるわけですが、今まで述べてきたとおり、婚活はオンラインとことごとく相性が悪いのです。直接会うのが難しい人と、画面を通してだけで親睦を深めるというのは至難の業。ましてや結婚という重大決定を全てオンラインで完結させるのは無理でしょう。
ハグや手をつなぐことはおろか、デートすらできない相手にどれだけ感情移入できるかと問われたら、甚だ疑問です。男性目線で言えば、それでは出会い系サイトなどのビデオチャットと変わりません。
オンライン婚活というワードは一時流行るかもしれませんが、それは「それ以外の選択肢が今のところ見当たらないから」であって、実際のブームになることなく終わるでしょう。
今、結婚するのは本当に幸せ?
冒頭でも書いたように、コロナ禍の今では、婚活女子の皆さんには酷かもしれませんが、もう婚活は無理と腹をくくるのが得策です。ハーバード大学の研究では、ソーシャルディスタンスの確保など、コロナウイルスへの慎重な対策は2022年まで必要とも言われています。数ヶ月待てば社会は以前と同じ状態に戻り、婚活再開!とはなりません。というより、もう以前の世界には戻らないのではないでしょうか。
しかし、こんな状況だからこそ、むしろ腹をくくることで、新たな可能性が見えるかもしれません。結婚を急ぐ気持ちもわかりますが、単に焦燥感だけで結婚してもロクなことにはなりませんよ。私も最初の結婚時は焦燥感に駆られて、上手く行きませんでした(泣)。
今は積極的に人に会えない分、勉強してスキルアップに努めるもよし、もしいつか結婚した際にも家庭生活を充実させられるよう、家事のレベルを上げるのも良いでしょう。もはや男性の収入も当てにできない世の中なのに、コロナ禍でさらにその傾向は強くなるはずです。スキルアップして、より好待遇の仕事を見つけようと頑張るのも良いかもしれません。
こんな今だからこそ、結婚する意味を見直す
もう一度落ち着いて自問自答してみてください。
今、この状況で結婚して本当に幸せですか?
既婚者の意見かもしれませんが、「コロナ離婚」なるワードも出てきています。テレワークが導入されたことで、今までよりはるかに多くの時間を一緒に過ごすため、残念ながら相手の嫌なところが目についてきたり、価値観の相違を痛感するカップルも多いのです。これは人として致し方ない現象です。ある程度の距離があってこそ、初めて成立していた関係だったということです。
また、子供が欲しいという気持ちもわかりますが、今のこの状況で出産・子育てすることに不安はありませんか?
病院はコロナの感染リスクが高く、通院や検査も一苦労。万が一感染してしまった場合、妊婦への治療や対処はより注意が求められます。そして無事出産しても、お子さんが生まれた後の経済状況はまず間違いなく最悪です。
学校も以前のように教室に児童を集めた授業は行えないので、基本的にオンライン。保育所も休園が多いので、家庭でお子さんを見てあげなくてはなりませんが、仕事や家事もある上に、元気に飛び回るお子さんの面倒を見て、勉強も教える。この負荷は相当なものです。
私の知人の奥様は、仕事も激務であり、はしゃぎたい盛りの可愛いお子さんが2人いて、ついにギブアップしました。離職してしまったのです。それだけにとどまらず、もし相当な期間をオンライン教育で過ごした場合、知識はついたとしても、友達とリアルな触れ合いがないお子さんの情操面は大丈夫なのでしょうか。
たしかに結婚や出産・子育ては、女性の憧れの一つでしょう。しかし、それは必ずしもメリットばかりではありません。特に現在のコロナ禍のような緊急事態下では、今までの価値観は全く役に立たなくなることがあるのです。ここはやはり腹をくくり、ポジティブな気持ちで婚活は中止し、もう一度自分の未来に必要なことをしっかりと見極めて、行動するのが何よりも大切です。最終的に結婚するにせよ、独身で過ごすにせよ、自分で考え抜いての決断ならば、前向きに受け入れられるはずです。