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コロナの影響で独身を選択する人がきっと増える

猛威を振るう新型コロナウイルスは、私たちの生活を一変させました。ビジネス環境も大きく変貌。弊社はプログラマが多い会社なので、全社員基本テレワークとしています。それで仕事は回るのですが、経営者として気になるのは社員のメンタル。

そこで、仕事のやり取りだけでなく、折に触れてオンラインで雑談をしています。実はこれが結構好評で、また、大切なんじゃないかと思っています。やっぱり仕事のやり取りだけでは事務的になってしまいますし、社員の率直な感情をざっくばらんに話してもらうのは、一堂に会する機会が減った今だからこそ、経営者としてもとても大切なことです。ええ、案外弊社は風通しの良い組織なんですよ(笑)

とあるオンライン雑談タイムの時、みんなで結婚についての話題になりました。もちろん社員のプライベートに細かに踏み込む気はなく、誰とはなしに「結婚どう?コロナも大変だけど」的な話題になったのです。そこで挙がってきた意見は…

  • すぐそばに盛大な失敗例がいるので結婚する気にはなれない
  • Webシステムの運用はできても、家庭は運用できないんですね(笑)
  • 社長は生活落伍者(辛口女性社員。有能エンジニア)

ええ、弊社は風通しの良い組織なんですよ(泣)

なぜ結婚しない選択をするのか?

愚かな私をディスるのは一向に構いませんが(笑)、皆一様に結婚には積極的でありません。それは個人の自由ですから良いのですが、気になるのは「なぜ結婚する選択をしないのか」ということ。

結婚を強要する気は毛頭ないですが、社員たちにバツ2などという人間はいませんし、尋ねたのも皆30代の未婚男女。別に結婚をしたって不思議ではない年代です。

もちろん大規模な調査をしたわけではないですから、弊社の社員たちの意見が絶対なわけではありません。しかし、じっくり聴いてみると、なるほどと思う点が多いのです。

理由その①:現代は仕事の水準が高く、集中できる環境が必要だから

現代は仕事の水準が高く、集中できる環境が必要だから

「コロナの影響でテレワークができるようになり、自分の望むワークスタイルが鮮明になった」という社員がいました。もう少し聴いてみると、「誰にも邪魔されず、自分のペースで仕事ができるので、能率が上がり、今の環境が望んでいたものだったとわかった」というのです。たしかに彼の進捗効率が上がっているのは明白でした。

基本的にプログラマというのは、仕事中ちょこちょこ話しかけられたりするのは苦手です。むしろ、そういうことをする他者を害悪とさえみなしています(笑)。コードを書いている時は目一杯それに集中したい。誰にも邪魔されない環境であればあるほど、アイデアも出て、自分のペースも守れ、仕事もはかどる。

実はこれはプログラマだけでなく、コンサルタントや経営企画、文筆業等、いわゆるナレッジワーカーであれば当てはまる特徴でしょう。

日常的に誰かがそばにいると、そうはいきません。相手のことも考えなくてはなりませんし、小さな子供がいたらなおさらです。どうしても仕事の中断も多く発生します。コロナ以前では、仕事に集中する場所としての役割をオフィスが担っていましたが、今はテレワークが広まり、そうもいきません。学校や保育園でもクラスターが発生しており、子供を預けるのも躊躇されます。

その点、独身であれば誰にも邪魔されず、自宅で完全に望むスタイルで仕事に打ち込める。コロナ禍で、自宅では家族がいるため仕事に集中できず、感染を恐れつつも出勤したり、自家用車の中でテレワークをする人がいるというニュースもありました。これではテレワークが発展しても、快適に仕事をできる環境からは遠ざかる一方です。仕事部屋を別途借りるという選択は、都心ではかなり裕福な人でなければ無理でしょう。

昔よりも高度な仕事でないと収入につながらない

そして仕事の質の問題もあります。現代は仕事に求められるスキル基準が高いのです。昔は必要とされた様々な業務も、ITで代用できたり、外注することが可能。単なる事務員などは、将来はAIに替わられてしまうでしょう。

そんな時代、事業に大切なコア業務を行う人に求められるスキルは、以前よりもはるかに高度なものになっています。当然、集中を要する知的労働が求められますし、スキルアップのための日々の研鑽も必要です。そして、そうでなくては安定した収入は得られません。

コロナ禍で自宅が仕事場にもなることを考えた場合、特にそれが高度な知的労働者の場合は、集中でき、かつ環境を自分でマネジメントできることが重要になります。結果的に、他人の干渉はできるだけ回避したいという欲求も出てくるでしょう。そうなると、ある種必然的に一緒にいる時間が長くなる結婚を、望まない人も増えていくのではないでしょうか。

理由その②:コロナでそもそも人に会えないから

「いやいや、そうは言っても誰かと会いたくなったりしないの?」。つい社員たちに尋ねてしまいました(笑)。もちろん、お付き合いしている人がいるかどうかなんてプライベートな問題までは聞きません。しかし、これについては皆即答でした。

「コロナでそもそも人に会わない」「不用心に会うのはリスク」

なるほどそりゃそうですよね。私も記事に書きましたが、結婚はおろか、そもそもその対象となる恋愛相手を見つけるのも、コロナ禍では至難の業。

また、誰かと会うにせよ、それならばステディな恋人なり、行動範囲に信頼のおける人と適切な頻度で会うというレベルで十分とのこと。たしかに今はどこで感染するかわからないのが実情です。真っ当な人ほどリスク回避を考え、積極的に多くの人に会うことはしないでしょう。

このような状態になると、ますます結婚からは遠のきます。上記の記事でも書きましたが、結婚に伴う様々な手続きは、多くの人と接しなくては進みません。これはコロナ禍の今では明確なリスクであり、また煩雑でもあります。

実際、株式会社NLCCの調査によると、コロナが婚活に影響を与えたと答えた人は実に9割に上り、婚活を中断している人が3割以上。国内最大級のマッチングアプリである「Pairs」を運営する株式会社エウレカの調査では、64%の人がコロナウイルスの影響で婚活や恋愛を中止したという結果に。

「仮に同棲していても、そのままで過ごすのが今は得策」。別の社員が口にしていました。たしかに言われればそうかもしれません。

今、無理に結婚という一大イベントを強行しようとしても、親族への挨拶から各種手配だけでなく、安全管理を徹底して、諸々の手続きをコロナに怯えながら進めなくてはならない。これはかなりハードルが高い話です。さらに結婚すれば、相手の仕事の状況や体調にも配慮が必要です。万が一相手がコロナに感染すれば、家族である以上仕方ないとは言え、間違いなく濃厚接触者にもなってしまいます。

それならば無理に結婚はせず、適度な距離感を保ち、お互い仕事に集中する時は仕事に打ち込み、会いたい時はきちんと体調を確認のうえデートするという恋人関係の方が、安全でストレスがない。そう考える人はより多くなるのではないでしょうか。

理由その③:結婚や出産はコストが厳しいから

結婚や出産はコストが厳しいから

私は社員たちに日々コスト意識を持つよう伝えています。と言っても、小さな備品を購入するのに細かく口を出したりするとかではないですよ(笑)。そうではなく、常に自分の仕事量や給与と会社の売上を、しっかりと数字で意識して欲しいということです。こうすると、社員にも財務的な感覚が定着しやすくなります。

そんな財務感覚に基づいて結婚や出産を考えると、どれくらいのコストがかかるかはすぐわかります。プログラマゆえググるのは慣れてますしね(笑)。結婚式や新婚旅行、新居の手配等でもかなりの金額ですし、今はコロナ禍で衛生面にも気を遣わなくてはならず、さらにコストがかかります。そして出産や子育ても考えるなら、この記事でも述べたとおり、子供一人につき約3000万円、さらに家族用の広い住居で3000万円以上の費用は見ておくべきです。

社員曰く、「こんなに経済情勢が不透明なのに、結婚や出産に伴う大きな金額の出費を覚悟するのは怖い」と言っていました。たしかな経済観念があればこそ、このように思うのも当然でしょう。

日本経済がずっと右肩上がりならまだしも、失われた20年や30年とも言われるように、日本の経済は伸びていく予兆が全く見えません。さらに今回のコロナ禍です。2020年4月~6月の日本のGDPは27.8%ダウンし、実に戦後最悪となってしまいました。これでは安心して結婚、子育てをしようと思う人が減るのも当たり前です。

また、風通しの良い弊社は、社員たちも愚かな私の離婚話を知っています。離婚はどれだけ精神的に疲弊するか、慰謝料などの金銭的支払もあり得ること、そして残念ながら愛し合っても3分の1の確率でそうなること等、よく理解しています。

  • 3分の1って結構無理ゲーですよね。僕の好きな●●(ゲームらしい)でもその確率のバッドラックはないです。
  • プログラムはバグを直せても、人間関係のバグは直らない。
  • もし婚姻関係が修正(修復?)不能となっても一からやり直しができない(ハードルが極端に高い)のは痛い。
離婚はどれだけ精神的に疲弊するか、慰謝料などの金銭的支払もあり得ること、そして残念ながら愛し合っても3分の1の確率でそうなること

まあどうもプログラマっぽい表現となってしまうのはアレですが、言いたいことはわかります。結局、かなり運も左右する要素が多い割に、失敗した場合のデメリットが大きいのが結婚だと映っているのです。そしてそんなバッドラックにならない相手を見つけるには、人間性や仕事、家族環境その他諸々の属性を慎重に見極める必要があり、このコロナ禍ではなおさら難しいのが実情です。

このように見てみると、「経済は一向に上向きそうにない中、運の要素があってコストは膨大にかかり、失敗すると結構なダメージを負うが、それを一手に引き受ける覚悟が結婚なのだ」という印象を持っていることがわかります。まあポジティブなビジョンとは言い難いですね(苦笑)。

しかし、実はある程度計算ができる現代人なら、このように考える人も多いのではないでしょうか。それゆえに成婚率も、出生率も上がらないのだと思います。

これでは独身が増えるばかり

皆の話を聴いて、納得する部分は多いものの、やはりこれでは結婚はせず、独身を貫く人が増えるだろうと実感しました。冒頭で書いたとおり、もちろんこれは小規模なヒアリングであって、全ての日本人がそう思っているというわけではありません。

しかし、政府の掛け声とは裏腹に、相変わらず成婚率も出生率も年々減少傾向です。特に出生率は、このままでは国が亡ぶほど、ずっと最低を記録し続けています。

もちろん、独身が悪いわけでは一切なく、国のために結婚や出産を決める必要もありませんが、「仕事に集中しないと生き残れない、出会いもない、経済も良くならない(国民にお金もない)」の三ないずくしで、将来に不安を抱いている人が多くいる限り、安心して暮らし、子供を育てることはしないでしょう。残念ながら、今回のコロナ禍でその傾向は一層強まり、独身者が世にあふれる日が来ることになると思います。

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