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コロナ禍での妊娠・出産を考えたら読んで欲しい話

毎日のようにコロナウイルスの感染者情報がメディアに流れます。多くの人は気が気ではないでしょう。感染者数は一向に減ることはなく、むしろ各地で激増中…。Go To トラベルはおろか、Go Toトラブルの様相です。

そもそも結婚がコロナ禍では難しいということをこの記事で述べました。こんな時だからこそ愛し、信頼する誰かと一緒に居て、結ばれたい気持ちもよく分かります。しかし、結婚をつつがなく進めるというのは、ことごとくコロナとは相性が悪いんですね。

今回は、結婚後のカップルにフォーカスしましょう。結婚すれば、DINKSを選んだ人たち以外、子供を持ちたいという想いが出てくるのは自然なこと。そもそも子供が欲しくて結婚した方もいるでしょう。通常時ならそれは一向に構いません。しかし今はコロナ禍であり、子供を持つにはあまりにハードルが高いのです。私も子育てをした経験から、少しお話ししたいと思います。

コロナ禍での通院のリスク

コロナ禍での通院のリスク

まず、妊娠したら妊婦検診を受けるのが通常です。厚生労働省も妊婦検診のガイドラインを定めていますが、妊娠初期(1~4ヶ月)で1ヶ月に1回程度、妊娠中期(5~7ヶ月)で2週間に1回、妊娠後期(8~10ヶ月)なら毎週という頻度で、病院に通う必要があります。

しかし、上記はあくまで基本的な検診です。各病院によっても頻度に違いがありますし、最近の産婦人科は、より妊婦へのケアが充実している分、通う頻度はもっと多めです。厚労省のガイドライン以外にも様々な検査がありますし、エコーや3Dで赤ちゃんの様子を見たりもします。

また、当然すべての妊婦さんが何のトラブルもなく出産にたどり着くわけではありません。つわりを始め、体調が悪くなることも多いので、その都度病院にはお世話になることになるでしょう。様々なケースを考えると、やはり月に数回は通院することになると思います。

しかし、当然今はコロナ禍です。検診や出産を担当する病院がコロナウイルスの患者を受け入れていたら、やはり不安にはなるでしょう。また、受け入れていなくても、結局病院に来る誰が感染しているかはわかりませんし、そもそも移動の際に電車やタクシーなど、多くの人が利用する交通機関を使うのも躊躇するのではないでしょうか。

出産に際しても注意が必要

出産の際も注意が必要です。里帰り出産をしたくても、コロナの影響で、都内の女性の場合は地元の病院が受け入れてくれなかったり、出産まである程度の期間がないと認められないというケースもあります。故郷の病院が受け入れてくれるかは、早めに確認しておきましょう。

また、同じくコロナの影響で、立ち会い出産はNGだったり、出産後から退院まで、家族の接触を認めない病院も今は多いのです。

コロナ禍での経済的なリスク

出産・子育てはおめでたいイベントなので、多くの人が見失いがちですが、子供を育てるのにはお金がかかります。愛ある話題なのにカネの話か!なんて言わないでくださいね(笑)それはあまりに危険な思考です。私は経営者なので、特にここは注意して欲しいと思います。

この記事の中に分かりやすい子育て費用が掲載されているので引用します。

オール公立
大学は国公立
オール私立
大学は文系
オール私立
大学は理系
幼稚園から高校卒業までの教育費総額542.3万円1771.8万円
大学入学から卒業までの学費総額539.3万円730.8万円826.7万円
生まれてから大学卒用までの養育費約1640万円
合計約2722万円約4143万円約4239万円

ざっくり言うと、生まれてから大学を出るまでにかかる費用(教育費と養育費)の総額は、一番安くて約2700万円です。もう少し余裕を持って考えると、子供一人を大卒まで育てるなら、大体3000万円程度はかかると考えた方が良いでしょう。

そして、我が子が誕生すれば住居費も多くかかるようになります。さすがに夫婦とお子さんがいてワンルームというわけにはいかないでしょうから、3LDK程度は最低必要になってきます。どこに住むか、賃貸か購入か等によって金額は変わるにせよ、ある程度の都心を考えるなら、住居費も大体3000万円くらいはかかるでしょう。これで合計6000万円です。

愛する我が子は可愛いのは間違いありません。しかし、子育てにはコストがかかるのも真実。しかもその額は莫大です。

コロナで安定した収入は見込みづらい

コロナで安定した収入は見込みづらい

日本経済が好調で、あなたやパートナーが安定した職に就いており、かつ、将来的な収入アップが確実だというなら良いんです。ところがこのコロナ禍で日本経済は壊滅的打撃を受けています。デフレどころではなく、恐慌すら待っているかもしれません。

そんな状況下では、子育てに必要な莫大なコストを担保する収入を、確実に得られる保証はどこにもありません。帝国データバンクによれば、2020年8月現在で、コロナによる倒産は400件を超えました。世界を見渡せば、大企業すらバタバタ倒産しているのが現状です。

もし現在、あなたやパートナーが手堅い職業に就いていても、ずっと安定した給与をもらえるとは、とても言えない時代がやってくるのです。そんな時、国もあてにはできません。ニュースを見ればお分かりのとおり、残念ながら政治にはリーダーシップもガバナンスもなく、どこを目指しているか見えづらいですし、最初の緊急事態宣言で相当な金額を使っています。国民が困っていたとしても、もう補助金の大盤振る舞いなど、そうそうできるわけもないのです。

コロナ禍で子供を育てるうえでのリスク

仮に、経済面でのリスクも回避でき、無事出産できたとしましょう。しかし、当然子供は生まれてからも様々なケアが必要な存在です。

もちろん小さなお子さんは抵抗力も大人ほどはありませんから、定期的な検診はじめ、病気にもかかりやすく、何かあれば病院に行かねばなりません。つまり、冒頭で述べた「コロナ禍での通院のリスク」がついて回ることになります。

それだけではありません。現在、コロナの影響で、業種によってはテレワークが推奨されています。コロナのリスクが懸念される人混みを避け、自宅で悠々と仕事ができるイメージのテレワークですが、実は小さなお子さんがいる家庭ではかなり難しいんです。

たしかに、小さな我が子は愛しいものです。それはよく分かります。しかし、私も子育てをしたので実感しますが、どうしても手がかかるのも事実です。こちらの記事にもありますが、大切な打ち合わせ中に騒いでしまったり、何かと目が離せなくてなかなか集中できないというケースはメディアでもよく取り上げられています。

部屋が何個もあり、仕事に集中できる環境が用意できるなら良いですが、この狭い日本でそのような人は多くはないでしょう。さらに今は保育園や学校でもクラスターが発生し、気がねなくお子さんを預けやすい状況ではありません。

経済の先行きが不安だからこそ、収入を確保するために一層仕事に邁進したいところでしょうが、皮肉なことに小さなお子さんがいることで、それが逆に難しくなるケースもあるのです。

今後の将来は子供にとって幸せか

今後の将来は子供にとって幸せか

そして何より、そもそも「これから子供たちを待っている未来は、幸せなのか」を考えてみてください。私はバツ2のダメな奴ですが、やはり子供たちには幸せになって欲しいと勝手ながらも願っています。

そんな時、今の日本の現状を見ると、経済は上向くことはないでしょうし、日本が世界をリードするようなことは絶対あり得ません。人口の減少とともに若い人の比率は減り、社会保障費が増大し、税金も高くなることは目に見えています。そこに追い討ちのように今回のコロナ禍が大ダメージを与えました。

また、このコロナ禍でオンライン教育が急速に発展するでしょう。世界の有益な講義をオンラインで受けられるようになるのは良いと思いますが、反面、友だちとのリアルな人間関係を築くのは難しくなりそうで、コミュニケーション面には不安が残ります。

希望があるとすればワクチンの完成ですが、これもまだまだ不透明です。アメリカやイギリスは、今年中のワクチン配布を考えているようですが、副作用の不安等は拭えません。

もちろん早期にワクチンができるのは、もはや人類共通の願いと言っても良いでしょう。しかし本来ワクチンは、副作用の検証や世界への安定供給を考えると、完成までに数年~十年という相応の時間がかかるもの。現在各社が製造を試みているワクチンが、どこまで安全で効果があるのかはまだわかりません。

WHOはコロナウイルスのワクチンや特効薬が見つからない可能性も示唆しています。また、日本では6月から今までとは異なるタイプのコロナウイルスによる感染が拡大していることがわかっています。コロナウイルスはかなり変異することが以前から確認されていますが、当然、変異した種にはワクチンが効かない可能性があります。つまり、コロナウイルスとは、かなりの長期戦を覚悟しなくてはなりません。

妊娠・出産は当人たちだけではなく、生まれるお子さんの人生を大きく左右します。もちろん、祝福される素晴らしいイベントですが、世界は以前とは変わってしまいました。コロナ禍における様々な状況を勘案し、今後子供たちに明るい未来があるか、何よりも安全に生活していけるか、一度じっくりと冷静に考えてみてください。

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